ようこそ!ハイランド真理子のブログです。

オーストラリア在住。団塊の世代。海外の競馬や犬事情も含んだ日記です。

30年前に......

昨日、娘が私のホテルに泊まりました。朝方、食中毒のような症状を起こして苦しんでいた娘が、やっと眠り始めたのを見ながら、不思議な気持ちに包まれています。あれから30年も経ってしまったのかと……実は上の娘の30歳の誕生日が近づいています。彼女は「お母さんと一緒の時間を過ごすこと」が彼女が誕生日に最もしたいことなのだと言っていたので、彼女の誕生日に再びゴールドコーストに戻ってくる予定を立てていました。でも、どうやらそれが無理そうになったので、昨日、日本から来たゲストを見送ってから、彼女と一緒に時間を過ごすことにしました。一緒に大きなレースに行こうと思っていたら、「私とお母さんの間には、いつも仕事があった」と言って、昨日のマジックミリオンズレースに、彼女は行くことを拒否したのです。ですから、メインレースだけ一人で観に行って、それから彼女をサーファーズでピックアップして、一緒にホテルに戻りました。仕事を忘れて、彼女だけに専念することにしました。

☆ ☆
30年前、彼女の生まれた日の前日。陣痛を起こして渋谷の日赤に行きました。破水があり、彼女の父親であるマヌエルの家に秘密の信号の電話を送ると、彼がやってきました。秘密の信号とは、彼の妻に分からないように三度電話を鳴らし、電話をきることでした。もっとも、それが一日に何度もあったりすることもあったのですから、彼の妻に、我々の関係は分かっていたのだと思います。私でも妻の立場だったら、やはりそう思いましたから。.......当時、乃木坂のマンションにいた私は、出産のために日赤病院を選びました。娘が生まれた後も、病気をした娘を抱えて何度、日赤に通ったことでしょう。真夜中にもタクシーを走らせたり....そういえば、当時娘の涙腺が詰まっているので、定期的に通ったことがありますが、有名な歌手で写真家の奥さんになった人も来ていたと思います。名前が思い出せません。確か、大きい目の沖縄出身の歌手だったと思います。さて、その日、マヌエルは病院の入り口に私を下ろし家に戻りました。私は産科に一人で行きました。車椅子に乗せられて。どうして車椅子だったのかよく覚えていませんけれど。生まれたら、私は友人の家に病院から電話をしてもらい、その友人が彼の家に秘密の電話をかけてもらう手はずになっていました。娘が生まれて、病院から友人に電話が入り、彼女からマヌエルの家に電話をかけてもらいました。リリーン、リリーン、リリーン。

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出産前に、産科で、カルテに書くために詳細を聞かれました。「ご主人の名前は?」「ありません。結婚していないのです」えっと、看護婦さんは声を出して驚き、それからその驚いた顔のまま「でも、後で結婚するんでしょう」と聞きました。「はい、その予定です」と言ったら、何だかホッとしたようでした。当時、未婚の母というのはかなり珍しかったのです。お産をする病室に入ってから、かなり時間がありました。日本に当時入ってきたラマーズ法というお産の本を読んでいましたので、それを部屋に持ち込んで読んでいました。それは、陣痛が楽になる呼吸法。母がよく「障子の桟が見えなくなるほどお産が大変だった」と言っていたのを聞いていましたから、それに影響をされたくないと思っていました。ラマーズ法のお陰で翌日の朝に、まるでサーフィンをするように娘を産むことができました。あちこちで泣き声や叫び声がありましたが、「未婚で子供を産むという決心をしたのは自分なのだから、つらいとか痛いとか言いたくない」という気持ちもあったので、何とか苦しまずに乗り切ることができたのだと思います。出産が済んで部屋に移動させられると、看護婦さんがやってきて「結婚するんでしょう」と聞いてきました。「おめでとう」ではなかったのです。

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それから、30年。以来、私は、彼女を日本からアルゼンチンへ、アルゼンチンからオーストラリアへと引きづりまわし、ずいぶん、つらい思いをかけてしまいました。彼女が長じて精神を病んだのも、そのような生活を彼女に強いた私のせいだと思っています。本当は、今日は彼女と一緒にアクアダックという車でゴールドコースト観光をしようと思っていたのですが、とんでもはっぷん。せっかく吐き気が止まったのに、車の中でまた調子が悪くなるに違いありません。このまま彼女が起きたら、彼女のアパートに移動して、静かにさせたいと思っています。私の明日の予定?朝早くブリスベンに移動して、ミィーティングがあり、その後に、シドニーに戻ります。

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「お母さんと一緒に時間を過ごせてよかった」と娘が言いました。「また一緒に時間をとろうね」と私は答えました。ノルエーにいるマヌエルは認知症にかかっていると聞きましたから、自分の娘がオーストラリアにいることも、娘に一度も手紙を送ってこなかったことも、わずかな養育費を、半年だけ払いって、その後全く彼女を忘れてしまったことも、恐らく全て忘れているのでしょうね。いい気なもんだ。
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