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ようこそ!ハイランド真理子のブログです。

オーストラリア在住。団塊の世代。海外の競馬や犬事情も含んだ日記です。

アルツハイマー論議

麻生外相が「アルツハイマーでも」といい、田中真紀子さんが「まるでアルツハイマーだ」とその麻生外相を罵倒する。いずれの場合も、アルツハイマーの病気を良く理解していない。私は、とても悲しく、空しく、その2人のやり取りを読みました。私は、その昔、オーストラリアのアルツハイマーのケアラーを教育する第一人者である、ボブ・プライスさんと、当時シドニーに住んでいた原和加子さんとともに、「ファミリーメモリーズ」という本を小学館から出版したことがあります。また、アルツハイマーのケアラー研修も企画したことがありました。したがって、アルツハイマーについては、少しは知っているつもりです。

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アルツハイマーは、身体的な死より先に、人格の死が先にやってくる大変悲しい病気です。罹っている人も、そして、そのケアをする人にとっても、悲しい無残な病気です。癌であれば、最後まで自分でいられますが、アルツハイマーは、自分ではなくなってしまうのです。こんな悲しい話がありました。シドニーのアルツハイマーのホームの出来ごと。あるご夫婦の奥様がアルツハイマーに罹りました。ご主人も身体が不自由で、そのホームに隣接したケアつきのホームに入りました。時々、奥さんは、ご主人のところを訪問します。奥さんは、ご主人のところから戻るなり、非常に怒ってケアラーにこう言いました。「うちの主人ね、浮気しているのよ」ケアラーが調べてみると,,,,..アルツハイマーのホームには、鏡がないのです。彼らは自分だと言うことが分かりませんから。でも、訪ねたご主人のホームには、鏡があったのです。奥さんは、それを見てご主人が浮気をしていると思ったようです。何て、無残な、そして悲しい話でしょう。

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こんなこともありました。アルツハイマーのホームに行った時のことです。庭に、動かない車がありました。そこで、1人の男性が、動かない車を運転していました。ロビーで、鳴らないピアノを弾いていた男性も。ある男性の部屋には、医学書が一杯並んでいました。彼は、アルツハイマーに罹る前には、ドクターをしていました。洗濯物を、朝から晩まで畳んでいる女性もいました。訪問した娘さんを前に、ずっとうな垂れて全く顔を上げない女性も。悲しそうな、苦しそうな娘さんの顔を、私は絶対忘れません。こんな悲しい病気や患者のことを、麻生さんも、田中さんも、どうして理解しないのでしょうか。実際、彼らも、アルツハイマーにならないという保証は何もないのです。老齢化社会と言われているのに、一国の政治を司る人々が、アルツハイマー病に対する認識が、こんなにないとは、ちょっと信じられないことです。

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私は、親不孝で、父も母も捨てて、外国を渡り歩いていました。アルゼンチンから帰った時に、もしかして、母は、アルツハイマーの初期だったのかも知れません。当時は、そんな言葉もなかったのですが。まだ幼稚園に通っていた甥っ子が、そうした母を、店に連れて買い物に行ったと聞いています。母は、家に戻った私に、「あら、良子。お帰り」と言いました。叔母の名前です。美空ひばりの「1人酒場で飲む酒は...」と何度も同じ箇所を歌っていました。母は、普段、演歌など歌わない人でしたから、どうしてあの歌が母の口に残っていたのか....分かりません。

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オーストラリアのアルツハイマーのホームの中に、待っても待ってもバスの来ないバス停があります。待っても待ってもバスは来ないのです。
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