ようこそ!ハイランド真理子のブログです。

オーストラリア在住。団塊の世代。海外の競馬や犬事情も含んだ日記です。

知らなくても友達

日本だったら、考えられないかも知れません。
今日はこんなことがありました。
夕方、いつものように愛犬サリーと散歩。
と、公園からの帰り道、
少し暗くなった庭に水を撒いている女性に会いました。
この女性とは、もう10年も、顔を合わせると
挨拶を交わしていました。
10年前に、彼女の家には2匹の犬がいました。
ラブラドールが二匹。
うちに前にいたカーリーが、
ワンワン咆えて、彼らもそれにワンワンを返して、
彼女と私が、
困ったわねと目で合図しあったものでした。


そのうちに、
彼女の犬の1匹は目が見えなくなってしまい、
その後もう1匹も、後を追うように
亡くなっちゃったって、
ある日、言っていました。


それから、彼女の家で、
ジャックラッセルを見かけたので、
あら、新しい家族?と聞くと、
違うの。娘のうちの犬を預かっているの。
まだ彼女達(死んでしまった2匹のこと)を
忘れられないから、新しい犬はだめだわ。
そう。うちのカーリーもいなくなったけれど、
でも、家にはサリーが来て、
今ではもうすっかり家族の一員よ。
あなたも新しい犬を貰うといいのに。


それから何年も経っているのに、
彼女の家には犬がきませんでした。

今夜、彼女は、私に、
あら、新しい犬?と聞いてきました。
ううん。彼女は、もう5年も私たちと一緒よ。
と言ってから、気がつきました。
彼女は、彼女の2匹を失ってから
実は、立ち直っていないのでした。
一緒に歩いている人たちの犬も
見ないようにしていたのでした。


あら、今日は夕方まで庭の世話?
と、私が聞いたら、

あの娘達が逝ってから、
私は庭のこともしなくなった。
何もしたくないのよ。
それでも、少ししようかと
思って、ちょっと水を撒きはじめたの。

彼女の家は本当に素敵な家で、
庭もとても綺麗でした。
あんなに素敵な家に住めるのうらやましいなって
思っていたものでした。
なのに、彼女の心は
うつろなのでした。
何年間も虚ろだったことに
今日、気がつきました。


どうしてこんなことを
私が言ったのか分かりません。
あのね。
私は最近、日本に戻ってきたの。
私の弟が、まだ60歳と言う
若さで亡くなったからなの。
仙台と言う町で.....。

仙台は、震災が起きたところで、
そこでは多くの人が亡くなったのよ。
弟は震災では大丈夫だったのよ。
でも、病気には勝てなかった。

そしたら、彼女は、
涙を一杯ためて
私を抱きました。
ごめんなさい。
そんなに悲しい思いをした人が
一杯いるのに。
私はなんて弱虫なのでしょう。


私は言いました。
あのね。
弟は死んでいないの。
私は、自分の胸を指して言いました。
彼は、ここに生きているの。
そしたら、
彼女は、また泣きながら
私を抱きしめました。
あなたは、勇気のある人ね。


元気出してね。
あなたはこんなに素敵な家に住んでいて
素晴らしい家族がいて、
幸せじゃないの。
もうすぐ春が来るから、
また綺麗な庭をみせてね。
楽しみにしているわ。

うちのサリーが、
早く帰ろうよと、
クーンと泣きました。


角を曲がる時、
まだ私を見ていた
彼女に手を振りました。
考えてみれば、私たちは
お互いに名前も知らなかったのです。
今度あったら、自己紹介しよう。


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