ようこそ!ハイランド真理子のブログです。

オーストラリア在住。団塊の世代。海外の競馬や犬事情も含んだ日記です。

93歳と63歳の会話

数日前のことです。バス停で新聞を読みながらバスを待っていました。
と、「すみません、新聞を読んでいるのに、おじゃまして」と丁寧な言葉。
「バスはもうすぐきますか?」と年配の女性から聞かれました。
「ええ、もうすぐです」「そうですか。タクシーを拾おうと思ったけれど、
何とラッキーなんでしょう。ごめんなさい、おじゃまして」。
と、その女性は、「今日は他にもラッキーなことがあったんですよ」と言うのです。
「デンティスト(歯科医)に行ったのです。クリスマスで色々食べると言うのに、
歯が欠けてしまって。支払いをする段になったら、デンティストは、無料だって言うんです」
「まあ、無料ですか?」「ええ、プレゼントだって」何というラッキーな人。オーストラリアの歯科は、
飛び上るほど高い。私の歯も、日本で見積もりしてもらったら80万円。オーストラリアで
してもらったら2万ドルかかると言われたほど。いえ、単なる見積もり。
女性は、「本当に、ラッキー。バスがすぐ来ると言うのもなんてラッキーなんでしょう」って、
何度も言うのです。

sound of music



その女性は......私は93歳なのですが.....と言いだします。とても93歳には見えない。
もしかして60後半か70歳と言っても通る。「お忙しいのに、本当にごめんなさい」と
何回もわびるのだが(苦笑)、喋り続ける。いいえ、どうぞどうぞと私。
彼女の話はとても面白い。バスが来ました。と、「隣に座りましょうか?」と彼女。
そうですね。「あのお、あなたは、とても93歳には見えませんが、
どうしてそんなにお若いのですか?」「そうですねえ、state of mind (心のありかた)かも」と
彼女は言いました。
「私は、2人の主人を失くし、癌にも2度かかりました。でも、何とかこうして生きている。
本当にありがたい」。
「主人はね、2人とも60歳前で死んだのです。私のこの腕の中で....」と彼女は繰り返しました。
辛い思い出に違いありません。
「でも、私はこうして生きている。ジュリー・アンドリュースの歌を覚えていますか?
彼女が結婚を申し込まれた時に歌った歌」

サウンドオブミュージックは、私と、私の子供たちの心の故郷なのです。
あの映画の中に、私はいつも人生を見出していました。
バスの中で、突然、見知らぬ93歳の女性から、私が「人生」の故郷だと思っている
歌の話が出て、私は驚きました。


Perhaps I had a wicked childhood
Perhaps I had a miserable youth
But somewhere in my wicked, miserable past
There must have been a moment of truth
たぶん、私は、悪い子供だったかも知れない。
たぶん、私は、暗い青春時代を送っていたかも。
でも、そうした過去の中に、もしかして、一つだけ
真実があったのかも知れない。

For here you are, standing there, loving me
Whether or not you should
So somewhere in my youth or childhood
I must have done something good
でなければ、どうして、ここに私がこんなに幸せに立っていることが
できるのでしょうか。こんなに幸せに満ちて。
だとすると、私は、過去に何か「いいこと」をしたのかも知れない。
だからこんなに幸せなのだ。

Nothing comes from nothing
Nothing ever could
So somewhere in my youth or childhood
I must have done something good

何もないところから何も生まれない。
何も起きるはずがない。
だから、私の子供頃あるいは、若かった時に、
「なにか、いいことをしたのかも知れない」




93歳の彼女は、I must have done something goodと
何度も言いました。そうそう、若くいられる「こつ」ねえ、働き続ける
こともそのひとつかも。私ね。90歳まで働いていたの。
90歳まで...........
動物のケアをしていたの。時給わずか18ドル(多い!)だけれど、
動物のケアをするって、本当に楽しかったわ。私に仕事をくれた人たちに
本当に感謝するわ。

ああ、私のバス停がくる。「そう、ここであなたは降りるのね。
あなたと会って、お話が出来て嬉しかったわ」と、93歳の彼女。
「私も。いいお話をありがとう」とバスを降りた。
素敵な人だった。髪がショートで、キャサリン・ヘップバーンにとても
よく似ていた。私がそれを言うと、「私もこの髪型が好きよ」って言っていた。

素敵な人に巡り合ったことに、私は感謝しています。
こんなにいいことがあるなんて、
I must have done something good in my past.....
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