ようこそ!ハイランド真理子のブログです。

オーストラリア在住。団塊の世代。海外の競馬や犬事情も含んだ日記です。

カミュ、異邦人、恰好つけるな。

この前、私は大きな口をききました。
悪口だったかも知れません。
中国人に対する批評です。
彼らは教養がない。
カミュもサルトルも知らない。
まあ、確かに。
しかし、それをその昔読んだ私は一体
それからどんな人生を送ったのでしょうか?

あまり大した人生ではない。
いや、自分にとっては、大した人生だと思うが、
まあ、こんなもんって感じかも知れない。


中目黒に行ってBOOK OFFに立ち寄りました。
BOOK OFFは好きです。
安いのがまず。100円で本が買えるなんて。
Unbelievable!
それから、並んでいる本を、一体どこの誰が読んだのかと
想像したりして、ここには、一日居られるかも知れません。
今回は、「異邦人」を見つけました。写真(1)

カミュ。
フランス文学を大学で専攻した私には、懐かしい名前。
カミュも、サルトルも.....
しかし、もう何十年も読んでいない。中国人と変わらない。

「異邦人」が、おいでおいでと私を呼んでいるような気がしました。
大枚105円で購入しました。
駅に着くまでの間に、スタバに入って、
お茶飲みながら
「異邦人」をひもときました。

今日ママンが死んだ。もしかして昨日かも知れないが、
私にはわからない。
..........

訳は窪田啓作。
窪田般彌の兄。窪田般彌は、私の大学の先生でした。
ほとんど自分のノートを読むだけのあまり面白くない先生だったような。
昭和29年が初版と書いてあり、そんな昔にこの本が訳されたことを
知り、驚きました。


今日は、久しぶりに、アストラー・ピアソ―ラを聴きながら、
この本を続けて読みました。

そうそう、ピアソ―ラは、彼がアメリカからアルゼンチンに戻ってきた時に
小さな教会でのコンサートで、本物を聴きました。
あの、フォークランド戦争が
終わった直後です。この音楽を聴くと、
悲しくて、つらかった、ブエノスアイレスでの、あの頃を思いだすのですが、
.......私はまさに、ブエノスアイレスで「異邦人」でした。

本を読むと、私は、大学で、本当にこの本を読んだのかと
不思議になりました。
ここで描かれていることは、アルジェリアでは,ごく平易な日常の
事柄であり、出来事なのですが、ここにある、
一つ一つの事象は、当時の私、
つまり「日本人」が理解できるものは、一つもありません。
遠いアルジェリア。パリでさえも分からないのに。
あそこにあるテーブルも。道を歩くセーラー服の少年の姿も。
アルジェリア人の姿かたちも。心根も。
そこに住んで体験し、「感じて」いなければ、なぜ、カミュが
「それ」を描いたのかは、実際は全く理解できなかったわけです。
それを、まるで理解したかのように思いこんでいました。
文学部卒?ちゃんちゃらおかしいと、私は思いました。

字面をなぞるだけ、アバウトなコンセプトだけを理論化していたにすぎない。
そう思いました。不条理?21歳で?分かったと思ったことこそ、
不条理だった。って。


教養なんて何なのだと、私は反省したわけです。
「異邦人」を読みながら。
中国人をバカにしている私も、バカだったわけです。


ただ、私は、日本にいた時も、自分は
「異邦人」って感じがしていました。
アルゼンチンでも「異邦人」で、
オーストラリア人でもやはり「異邦人」に過ぎない。
土に戻るまで、私は、異邦人なんだって。
ちょっと、しんみりした次第。
かっこうつけるな。異邦人は窪田啓作じゃなく、
久保田さきだろうが。

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