お目にかかると、ちょっぴり恥ずかしい気がします。
私が、
動物と関わったのは、
私がずっとずっと「大人」になってからでした。
私は、人一倍、日本語で言う「我」が強く、
他人のことを考えず、特に、親兄弟のことを
考えず、自分流の生き方だけを通してきました。
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40年位前、
クリスマス前、クリスマス後と言われ、
クリスマス、つまり25歳までには結婚しないと
「市場」がなくなると言われた時代に、
カントリータウンである仙台で27歳で起業。
したのはいいけれど、経営ベタ。
おまけに不良外人の子供を身ごもって
シングルマザーに。
その子の父親を追ってアルンゼンチンまで
追いかけて......
その間、不採算な会社を仙台の弟に押し付け
.....
まあ、考えればぞっとするほど、身勝手な生き方をしたと
思います。
★
その私が、なぜ動物に関わり始めたのでしょう?
動物は、とりわけ、犬に出会って、
私の考え方や生き方がすっかり変わってしまいました。
カーリーはやんちゃのジャックラッセル。
上の娘が長い間の家出をして戻ってきて、すぐに
私たちの元にやってきました。
なぜ、犬を家に連れてこようと思ったのか?
主人が、「犬はファミリーを作る」という英語の表現を教えて
くれたからでした。
カーリーが私たちの家にやってきて、家出した娘も、
その娘とうまくいかなかった主人も、まだ小さな子供だった下の娘も
そして、私も、8つの目が同じものをみて、笑いました。
笑い転げました。
犬が持つ力は、こんなに大きかったのだと感じた瞬間でした。
★
それから、何度も、犬であるカーリーの大きな「力」を感じさせられました。
「力」とは彼が、私たち家族にくれた「愛」でした。
私は、オーストラリアで競馬の学校作りに3回関わったjことがあります。
そのいずれも、簡単ではありませんでした。
英語に、200%という表現があります。100%の2倍、つまり全力の全力をふるうとか、
完璧の上の完璧という意味ですが、今振り返れば、わたしは学校作りに
200%の力を振り絞って挑みました。
ゼロから作った学校。はるか日本から100人位の生徒たちが来てくれて
いたのに、経営者は、当時まだお金持だった日本人の学生を
200人欲しいと思っていました。2年経って200人の生徒がこない。
そこで、私を追いだして、もっと有能な?マーケターを入れようと思ったのでした。
私を首にして、私の当時の副校長としての給料と契約料、小さな会社にとっては、
莫大な金額のお金を支払わないと言ってきたのです。
弁護士は、このケースは100%勝てると言いました。ただし....
金がとれるかどうかは分からない。ケースを進めるにあたって5万ドルかかる。
無理でした。
私は、絶望の底に落ちました。
カーリーは、その時、私に何が起きているか感じていたと思います。
「お母さんに、何か重大なことが起きている。
悲しいことらしい。お母さんを助けなければ。僕に何ができるのだろう」
そこで、カーリーが私にしたことは、
泣いている私の傍に、ぴったり寄り添うことでした。
身体を寄せて、何時間でも私の傍にいてくれました。
.....
奇跡的に、会社は立ち直りました。
私も立ち直りました。
★
カーリーに出会って、
私の人生は変わりました。
それまでは、馬に関わっていた私が、
犬と一緒に暮らすことに喜びを
他の人にも教えてあげたい。
何よりも、これだけの愛を私たち人間にくれる犬たちのために
なにかしてあげたい。彼らが幸せに暮らしていけるように、そのための
手伝いをしたいと思うようになりました。
ワールドアニマルネットワークを作ったのは、それが理由でした。
オーストラリアの専門家と組んで、リハビリ、
ホリスティックフード、トレーニングのセミナーを始めたのも
それが理由でした。
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先日読み終えた本があります。
アメリカの本で、タイトルは、
Bark if you love me!
これは、NYで活躍していた一流のジャーナリストが書いた本。
仕事は順調だし、NYの暮らしは「いけてるし」、まあ、これで恋人でもいれば
完璧なんだけれど、文句は言えないか。なんて言っていた女性が、
ふとしたことがきっかけで、捨てられた犬と一緒に暮らすことになって、
......
そして始めて知ったこと。ああ、私の人生は、これまで完璧ではなかったのだ。
犬と一緒の人生こそが、完璧な人生だったのだ。と、てんやわんやの犬との暮らしの
中で考えるようになったということを、ユーモアたっぷりに描いている本。
彼女の気持ちが良く分かり、更に、彼女の暮らしがよおおく、理解できて、
笑っちゃいました。犬が人生を変えるのです。
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今朝テレビで、福間の原発地帯に残された動物の番組をみました。
泣きました。
ある犬は、取材の車をずっと追いかけるのです。
「行かないで。僕何でもするから。連れていってくれるなら、僕、何でもするから。
行かないで」と言いながら......
置き去りにされた犬たちの目。
「帰ってくるよ。お父さんもお母さんもきっと帰ってくる」
捨てて行った飼い主を心一杯に思い出しながら、じっと待っている犬たち。
彼らが一体何をしたというのでしょう。
彼らは私たち人間を愛しただけなのです。
こうした動物を置き去りにする人間。
助けない政府や自治体。
そして東電。東電の会長は、犬を飼っているのでしょうか。
犬、そして動物を飼ったことがあるのでしょうか。
動物を飼ったことがある人であれば、こんなひどい、ことはできません。
犬たちのあの姿は、私の心に刻印されてしまい、
今、思い出しては泣いています。
★
私たち人間には、犬を含めて、動物に対する義務と責任があります。
彼らから、もらった愛に、十分に、報いる義務と責任が。
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